カテゴリー:特設コーナー

  • 眼鏡越しの風景EP33-内緒-

    あれはいつの頃か、まだ私は小さく保育園に通っていた。 日が暮れるのもずいぶん早くなり、空には冬の気配が漂っていた。 フルタイムで忙しく働く母のお迎えはいつも閉園時間ギリギリ。 滑り込みセーフの時も多く、先生と二人、もし…
  • 眼鏡越しの風景EP32-遭遇-

    あれは3年前の冬、年末も近く残業で遅くなった私は自転車で帰り道を急いでいた。グラウンドのある広い公園の横を、いつものように通り過ぎようとしたところ「あれ?今のなんだろ?」それは黒く、こんもりとした小さな山だった。 グラウ…
  • 眼鏡越しの風景EP31-弦月-

    『暮らすように旅する』 街の風景と行き交う人々の日常. 買い物袋を提げ足早に過ぎ行くお母さん. 学校帰りお喋りに夢中の小学生. グラウンドでは野球部のノックの音が夕焼け空に響く。 軒先で夕涼みするおばあちゃん. 駅から…
  • 眼鏡越しの風景EP30-流行-

    「うん!似合ってる」大きな鏡に映る私へ、そんな独り言を呟く。 試着室のカーテンをシャーっと勢い良く開けるとお店の喧騒が再び耳に戻る。 「これ、着て帰ります!」 レジの前で、6,980円の値札をぶら下げた私が佇む。お店の…
  • Mop16:選択

    幾つになっても、選択する時は訪れます。 あの時の選択が間違っていたことに気が付くのは、 大抵、少し先の未来に立ってから。 その時は、きっとその答えをちゃんと考え抜いたはず。 だって、「後悔」するくらいなのだから。…
  • 眼鏡越しの風景EP29-旅人-

    秋になると「旅の季節キターーー!」と夏バテなんか吹っ飛ばし、俄然元気になるのだけれど。 今年はそれも我慢、それで少し元気がない。 いつも、友達との旅行はレンタカー。 一人旅ではまだまだ運転に自信が持てず、私の移動手段は…
  • Mop:15 見過ごして

    すっかり 肌寒くなってきました。 冷たい風が吹き始めると、途端に街がクリスマスムードになります。 季節の移り変わりに敏感になってしまうのは、子供の頃から変われず。 だけど、徐々に味わえるようになってきました。 少し器用…
  • 眼鏡越しの風景EP28-新風-

    夏休み明け、彼女は情熱の国スペインからやって来た。スカートからスラリと伸びる足、外国帰りだと日本人でさえ、海外仕様に足が長くなるのだと、勝手な思い込みを妙に納得していた。こちらから積極的に話しかけたわけではないが、帰国子…
  • 眼鏡越しの風景EP27-百雷-

    雷が怖い。 年々、ゲリラ豪雨や強力な台風が頻発するようになり、雷に遭遇する確率も高くなっている。 子供の頃はなんともなかったのだが、キッカケは高校二年、夏の終わりのあの夜からだ。その日は夜中に台風が通過するとニュースで…
  • Mop14:自分への思い込み

    先日、息子と映画クレヨンしんちゃんを観に行きました。 劇中で描かれている「世間の大人たち」の様子が凄まじかった。 誰かの小さな失敗を、その後ろにある努力や思いは考慮せず、 公衆横見習えで責め立てる。 それでも屈し…

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